2024年3月10日、目立ったソシャゲニュースは「ファンキルオルタナリリース」だった(ファンキルオルタナニュースまとめはこちら)。
ファンキルオルタナリリース
ファントムオブキルオルタナティブイミテーション(以下ファンキルオルタナ)が2024年3月5日、リリースを開始した。
ファンキルオルタナはNFTゲームとなっている事で話題を生んでいた。NFTゲームというのは仮想通貨などで用いられる技術であるブロックチェーン技術を使ったゲームの総称で、ゲーム内のキャラクターをゲームの外に持ち出して売買できる点が特徴。NFTを用いたデジタルアートみたいな感じ、である。結局デジタルで書かれたイラストなどはいくらでもパソコン上でコピーしたりダウンロードしたりできて、”オリジナルの1枚”というものがないのが当たり前、として誰もが認識していると思う。
NFTを用いたデジタルアートやNFTゲームの場合、この”オリジナルの1枚”をブロックチェーン技術によって識別可能になる点が、主に投資家が注目している理由だ。デジタルのイラストであっても、”オリジナルの一枚”が後から判別できるなら、それには価値があることになる。また、自分がオリジナルの一枚を所有している、という所有欲も満たせる。
プレイしてみた感想
さっそくファンキルオルタナをプレイしてみた。筆者もNFTゲームはほぼ初めてなのでよくわからないままのスタートとなった。
やってみた感じ、ゲーム周りは、言葉は悪いがものすごく雑な作りだった。メメントモリからきれいな映像表現と音楽を取っ払た、といえばいいだろうか。
とにかくこれがブラウザゲーだとしても驚かない程度の完成度。
これも不思議なのだがNFTゲームになったとたん、各ゲーム会社はゲームのゲーム性をこれでもかというほどに下げてくる。不思議なのだが、まるでパズドラ前のソシャゲに逆戻りしたかのようなゲーム性のないものを仕上げてくる。
逆にいうとNFTゲームでありながら、パズドラのようなゲームが出てきたとき、本当の意味でNFTゲームが流行するのではないか、と感じている。
ガチャも普通のガチャだがやはりNFTだからなのか(関係ないと思うが…)ガチャ演出一つとっても非常に簡素。怪盗ロワイヤルかな、と錯覚するレベルで簡素。
ここまでまったくNFT要素がないが、調べてみた限り、ガチャで手に入れたキャラはまだただのガチャキャラのままで、ここに有償ガチャ石を投入することでほかのユーザーと売り買いができる状態(上で書いた技術的な話をするとブロックチェーン内にそのキャラ情報が刻まれる)になるようだ。
つまり普通にガチャを回してメメントモリチックな戦闘をしているだけだとただの面白くないゲームをやっているのと変わらない。
キャラに有償ガチャ石を投入し、NFTキャラ(と言っていいのかとにかく売買できる状態)にすることでようやくファンキルオルタナの持つNFTゲーム部分が顔を出してくるわけだ。
ただNFTゲームでそのキャラが売買されるといっても、そのゲームが人気じゃない、あるいはそのキャラが人気じゃないなら誰も買い手が付かないわけで、そうであるならゲームとしてのゲーム性というのはNFTゲームでも大事な部分だと思うのだが…。
とにかくキャラを売って儲けたい!とかファンキルオルタナをお小遣い稼ぎでやりたい人以外は、ゲームとしてこれをやるのは筆者としてはまったくおすすめできない。